『倫理10年、自分が変われば周りが変わる』

礒村 安倫

川上 正城

一般社団法人倫理研究所 法人レクチャラー   
香川県倫理法人会 副幹事長   
株式会社川上板金工業所 代表取締役   

【 経歴  】
昭和42年3月32日  香川県仲多度郡琴平町に生まれる                   
平成元年4月    4年間東京のゼネコンで修行                   
平成 5年5月5日  有限会社川上板金工業所入社                   
資格:一級建築士・一級施工管理技士・一級技能士・宅地建物主任者 

 レポート

私共の会社は金属屋根工事をやってます。
屋根の研究開発・製造・販売。合わせて屋根だけでなく、外壁工事等幅広く請け負ってます。創業が昭和9年6月で、先月83周年を迎えました。
金蔵屋根工事で四国では一番古い老舗と思ってます。

私の祖父が、昭和43年に皇居新宮殿の屋根のふき替え工事に携わらせて頂いた。
大学を卒業して森組〈中堅ゼネコン)に勤める。
東京勤務、バブルの全盛期で残業が月に200時間していた。
私自身会社を5年で辞めるつもりで入社したので、仕事がきついとか残業が長いとか一切愚痴をこぼさずにいた。

当時付き合っていた彼女がいましたが、業界がきつかったのでこのままだと彼女と別れてしまうと思い、入社1年目で彼女と結婚する。まだ20、22歳の二人で若くして一緒になるが、貧しいながらも楽しい新婚生活を過ごせました。

そして、平成5年5月5日有限会社川上板金工業所に入社。
当時、従業員が13名。家族経営で営業マンのいない見積もり等々もFAXをしてそれを繰り返して仕事を頂くような会社でした。

 

現場は職人の世界ですからすごく大変でした。
職人は、見て覚えろ、手で覚えろ、体で覚えろ、そして仕事は盗め!と教えられた。休憩時間、残業して手習いのようにして取り組むが、先輩の職人からは、「お前は不器用や、センスも技能も無い」と言われて悩みました。

ある時、学校の恩師が訪ねてきてくれた。
ある物を作って提供しそのお礼で自宅に招かれ食事をご馳走になる。
その時、「何か悩みがあるのではないか?」と言われ、色々悩みを打ち明ける。
先生より「技術の習得は5年10年かかるが、資格は1年あったら取れるから資格を取りなさい。」と教えて頂く。

 

3年で3つほどの資格を取ったが、その間学校に通っていたので週に3日、午前中勉強と残業が出来ず、日曜出勤も出来なかった。
従業員は、残業も日曜出勤もしているので結構責められていた。なので1発で受かるため必死でした。現場に出れるときは職人さんと一緒に汗をかいていた。色々ストレスもあり3年で20kg程太ってしまう。その後も大変な苦労が多々発生。
社内に多くの苦難(膿)を抱えていた。

①機械の整備や清掃も修理時のみ、全て修理業者に任せ。

②棚には不要なものが山積み。(無駄な時間がかかる)
③通路にゴミが落ちていても拾う社員はいない。

④駐車場にはポイ捨ての空き缶、たばこの吸い殻が大量に捨てられている。
⑤トイレ清掃は、月1回の一斉清掃時に仕方なくやっているため、汚れている。

⑥工場内では安全意識が弱く、ヘルメットの着用をしていない。

⑦ビス置き場の床には、ビスが1万本は落ちている。

⑧使った道具・用具は元の位置に戻さず、手入れもされない状態。

⑨お客様が来られても挨拶をしない。

⑩時間を守る事に対してルーズ。

⑪難しい事・面倒な事は先延ばし。
⑫失敗すると人のせいにして、愚痴や文句を言う。

⑬応接間のソファーの上に書類が山積みで来客の度に書類をよけていた。

ベテランの職人(社員)は、技能・技術は高いものがあり、体質上会社のために何か貢献しようという意識は全くなかったかと思います。私自身、もどかしい日々を過ごしていた。

 

そんなある時、私の人生を変える出来事・出会いがあった。
平成19年2月19日、香川県倫理法人会津島晃一氏〈当時の光建設社長)が来社。
私が時間に追われている話から、朝起きを勧められる。「朝起きをすると、朝1時間の心の余裕と、時間の余裕ができます。」さらに、倫理法人会入会を勧められ入る。3月17日に入会しモーニングセミナーに出席する。
さらに琴平でのモーニングセミナーに参加し、松岡賢講師の講話によって「人を変えよう」と真逆の事をしていたことに気づく。

 

その後、年に1回大きな行事の倫理経営講演会(丸亀市)に出席したとき、
講師から「会社を変えるなら次の3点を取り組めば良くなります。
①先手の挨拶。
②目が覚めたらサッと起きる。
③出社は誰よりも先にする。」即行の実践。

しかし、長続きしない。自分も人も変えることが出来ない。

また、悩ましい日々が続くが、平成20年2月にもう一度、朝起きに挑戦。
自己革新の場としてモーニングセミナーを捉え朝4時半起きを実践。
半月くらいで目覚ましが無くても起きれるようになる。
朝起きの実践で起きた時間の後、有効活用をしようと朝5時半から6時の間で出社するようにした。そして、片付けに時間を費やす。自分の身の回りの整理。不要なものは処理。身の回りが終わると、駐車場を整理。やがて幹部が朝起きをするようになり、そして社員に浸透していく。

次に、活力朝礼を始めるがうまくいかない。
平成21年に倫理の県朝礼委員長をする事となり朝礼の勉強をさせて頂き会社にとって必要な事と理解できた。自社の若手社員が7名、県の朝礼研修に参加し自社の朝礼が変わるきっかけとなる。

ある年の健康診断で医者より体重を落とすよう指摘を受け、ダイエットを決意する。
第2の実践として運動と食事制限をする。そして1年間で20Kg落とすことが出来た。決意を守ることで周りから信頼を得る。

第3の実践として、「普及の実践」に取り組む。普及は最初に会長がする。
明るく、楽しく活発に実践する。目標は解り易く、達成日も会員と共有できるようにする。普及のポイントとして山場を4カ所設ける。会長最終年度は22社の会員増強で
た。そして、中四国で一番早く普及達成。早く達成できることで拡充に繋がり、MSの活性化にも繋がった。

 

【会長談】

タイトルの「倫理10年、自分が変われば周りが変わる」まさに倫理のお手本のような方であり、会社ですね。最高の武器を手にしてステージをどんどんクリアされ、素晴らしいです。最後に大切にしている言葉「一日生きることは、一歩進むことでありたい」(湯川秀樹博士) 日々前向きに、地道に、実践されたから「職番の教養8月号」に取り上げられる程の輝かしい現在があるんですね。凄い!    
 

★モーニングセミナー参加者: 49社、51名でした。